成年後見制度



老後の問題1

■成年後見制度について1
高齢化社会が抱える問題
現在の日本の社会は急速に高齢化が進んでいます。この高齢化を促進している要因の一つが長寿命化です。
もう一つの要因が少子出産の傾向です。こうして大家族中心から、核家族社会になり、高齢者夫婦のみの 世帯や高齢者の一人暮らしが増えるようになると、身の回りの世話や自分の財産の管理など今まで家族の 誰かに頼ってきたこともすべて自分で処理しなければならなくなるわけです。
しかし年齢と共に判断能力が衰えてくるのはしかたがないことで、高齢者をねらった悪徳商法や詐欺的取引 などの被害にあいやすくなるばかりか、自分の財産の管理も思うようにいかなくなります。
成年後見制度の内容
成年後見制度とは、保護を要する成年者に対する新しい理念を持った援助の制度である、といえます。 新しい理念とは、一つはノーマライゼーションの確立です。
ノーマライゼションというのは普通の同じノーマルな生活を送ろうということです。
もう一つは自己決定権の尊重です。これは少しでも能力がある限り、その人格の発する自己決定を可能な限り、尊重していくということです。
このような新しい理念と従来からの本人の保護の理念とを調和させるべく設けられたのが、成年後見制度なのです。
平成12年4月1日から施行された民法の改正では、保護されるべき人を補助・補佐・後見の3類型にし、高齢者のほか、年齢にかかわりなく軽度の痴呆や知的障害にも対応できるようにしています。
また自己決定をより   尊重する制度として、任意後見制度についても新法が作られました。(任意後見契約に関する法律)
任意後見制度について
任意後見制度とは、正式には公的機関の監督を伴う任意代理制度のことをいいます。
これは判断能力が減退する前に、将来サポートしてくれる人を選んでおけるようになること、および判断能力が少し減退した状態からでも、法的なサポートが受けられるようになること、 財産管理的側面だけでなく、心身の状況・生活の状況に配慮したサポートが受けられるようになること、が特徴です。
具体的には、次のような流れになります。
成年後見制度の仕組み
任意後見契約の内容は公証人から登記されます。
具体的に成年後見制度を利用するケース
  1. 重度の認知症の男性(81歳)は介護施設で生活していたが、その介護について妻と子(先妻の子)の意見が食い違い、子の申立により、 家庭裁判所が社団法人成年後見センター・リーガルサポート(後述)の会員から選任し、登録司法書士がその男性の後見人となった。
  2. 一人暮らしの男性(74歳)が脳梗塞で救急入院後、容態が安定したので、老人介護施設に移動するよう求められたが、判断能力が著しく低下しており、 かつ寝たきりの状態であったため親戚の一人からの申立により法定後見制度を利用して後見事務が開始された。
  3. ある女性(85歳)はヘルパーと地域支援センターの支援により、一人暮らしをしているが、時々甥が来て通帳の管理をしていた。甥は遠方に住んでいてたびたび来れない状況であり、 かつ女性の判断能力が衰えてきたため、甥の申立により、家庭裁判所が社団法人成年後見センター・リーガルサポート(後述)の会員から選任し、登録司法書士がその女性の補佐人となった。
  4. あるご夫婦は子がなく高齢になってきたことから、それぞれが姪と「委任契約ならびに任意後見契約」をすることにより、 判断能力が衰えてきた場合にも、スムーズに財産管理・身上監護を受けられるようになり、安心した。
  5. 一人暮らしの男性(80歳)は喘息で入院したのをきっかけに一人で暮らすことが困難になった。
    兄弟姉妹は存命であるが、遠方に暮らしており、かつ高齢であることから、判断能力のあるうちに自分の財産管理・身上監護を古くからの知り合いに頼むことにし、 「委任契約ならびに任意後見契約」を公正証書で作成した。
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